介護事業者向けの経営支援サービス「カイポケ」を手掛けるエス・エム・エス(SMS)は2018年2月22日、同サービスの会員を対象にスマートフォン端末をレンタルする「カイポケモバイル」の提供を開始した。モバイル端末の導入がなかなか進まない介護現場に、“格安スマホ”並みの価格でスマートフォンを提供するサービスである。

 月額利用料は、カイポケ会員が2500円、カイポケフリー会員が3000円。24時間365日の通話し放題、高速データ通信量7Gバイトのプランが付く。解約時の違約金は不要。故障時・紛失時の補償、紛失時の端末初期化サービスが基本パッケージに付いている(故障修理保障、紛失保障は別途有料)。アンチウイルスソフトは標準でインストールされている。

 介護現場にスマートフォンを提供することにより、記録業務などの効率化を支援する狙いだ。例えば、同社の訪問介護事業者向けサービス「カイポケ訪問記録(ウェブ版)」を合わせて利用することによる業務効率化をサポートする(カイポケ会員限定の提供サービス)。

厚労省のガイドラインでBYOD原則禁止が明確化

 介護現場では、モバイル端末料・利用料が高い、契約期間のしばりがあるなどの理由から事業者の法人契約による端末導入が進まず、職員の個人所有端末を業務で利用している現状がある。ただし、介護事業者にも適用が求められることになった厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5版」では、BYOD(Bring Your Own Device)の原則禁止が明確化された(関連記事)

 カイポケモバイルは、このBYOD原則禁止に対応するため、低コストによる事業者管理のモバイル端末導入を促進できる。一方、事業者は同ガイドラインに準じた端末管理・運用管理を行うことが求められる。