米Keysight Technologies社は、PXI Express規格のモジュール型計測器を10機種一度に発表した(日本語ニュースリリース)。オシロスコープが3機種、FPGAを内蔵した任意波形発生器(AWG)とデジタイザーが6機種、3つのIQチャネルを備えた任意波形発生器(AWG)が1機種である。

最も小型のPXIeシャシーに挿した新製品 手前からオシロスコープ、プローブ用電源、オシロスコープ、デジタイザー・AWGコンボ。日経テクノロジーオンラインが撮影。
最も小型のPXIeシャシーに挿した新製品 手前からオシロスコープ、プローブ用電源、オシロスコープ、デジタイザー・AWGコンボ。日経テクノロジーオンラインが撮影。
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 日本法人のキーサイト・テクノロジーによれば、新製品の「M924xA InfiniiVision PXIe オシロスコープ」は、モジュール型計測器では初めての「真」のオシロスコープだという。同社によれば、競合他社を含めて、従来のモジュール型計測器を使ったオシロスコープでは、デジタイザーでデータを捕捉したあとの処理(表示・解析)をPCで行っていたため、ボックス型(ベンチトップ型)のオシロスコープに比べて波形更新レートが遅かったり、トリガー機能に制限があったとする。

モジュール型計測器のオシロスコープの違い 左がデジタイザーベースの既存品。右が今回の新製品。キーサイトのスライド。
モジュール型計測器のオシロスコープの違い 左がデジタイザーベースの既存品。右が今回の新製品。キーサイトのスライド。
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 これに対して新製品は、UI(操作ツマミやディスプレー)を除いてボックス型オシロスコープ「InfiniiVision 3000T X-シリーズ」(関連記事:40万円台のオシロでも画面に触れてトリガが可能、KeysightがInfiniiVision 3000T X-シリーズ)をそのまま1スロットのPXIeモジュールに収めたことで、ボックス型と同じトリガー機能を備える。また、波形更新レートは100万回/秒、帯域は最大1GHz、速度は最大5Gサンプル/秒、再補足時間は1μs以下と、性能もボックス型と同じである。今回、帯域などが異なる3機種のオシロスコープを発売した。3機種の帯域はそれぞれ200MHz、500MHz、1GHz。いずれも1スロット幅である。

「M924xA InfiniiVision PXIe オシロスコープ」の概要 キーサイトのスライド。
「M924xA InfiniiVision PXIe オシロスコープ」の概要 キーサイトのスライド。
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