20Wの太陽光パネルで稼働
20Wの太陽光パネルで稼働
(出所:メカトラックス)
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装置一式を防水ボックスに収納した
装置一式を防水ボックスに収納した
(出所:メカトラックス)
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太陽光の電気を活用する仕組み
太陽光の電気を活用する仕組み
(出所:メカトラックス)
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 電子機器の開発・販売を手掛けるメカトラックス(福岡市)は2月21日、低価格の小型PCボード「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」を太陽光発電で運用できる「ラズベリーパイ屋外稼働キット」の販売を開始すると発表した。

 「ラズベリーパイ」は、プログラム教育用に開発された後、ビジネスや大学研究者などでの利用も増え、全世界で累計1000万台以上が販売されている。「ラズベリーパイ屋外稼働 キット」は、太陽光パネルや通信モジュールなどをセットにした。IoT(モノのインターネット)分野などでの利用を想定している。販売価格は19万8000円(税抜)。

 出力20Wの太陽光パネルと20Ahの 鉛蓄電池を備え、夜間は蓄電池の電気を使って稼働する。電源コンセントやインターネット接続環境のない屋外でも、太陽光と無線通信でラズベリーパイをインターネットに接続できる。データ通信用の3G通信モジュールなども含めて防水ボックスに一体化した。

 一般的に、屋外電源として太陽光パネルと蓄電池が使われるが、そのまま動作させると消費電力(数百mW ~ 数W)が大きく、パネルと蓄電池のサイズが大きくなるという。そこで、今回のキットでは、自社開発した電源管理モジュール「slee-Pi」を搭載し、10分間に1回だけ起動・処理する間欠動作(タイマー動作)で稼働するのが特徴。消費電力を約80%削減したことで、太陽光パネルと蓄電池の20%の小型化を実現したという。

 屋外での長期稼働を想定し、IP66相当の防水ボックス内部に電子機材一式を格納した。太陽光パネルは専用治具でボックス外部に装着する。ボックスの内部空間にも余裕があり、別途センサー用の基板やデータロガーなども取り付けられる。防水ボックス外への配線用に防水ケーブルグランドを8個搭載しており、外部センサー機器も増設できるという。