日本で唯一、獣医師の国家資格を持つメディカルイラストレーターとして活動中のtokco氏(写真:加藤康)
日本で唯一、獣医師の国家資格を持つメディカルイラストレーターとして活動中のtokco氏(写真:加藤康)
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 医学分野の学術論文や教科書、図鑑、プレゼンテーション資料などに載せる、臓器や骨格、術式などを説明する図版、いわゆるメディカルイラストレーション。その普及や水準向上のための教育・研究活動を行う「日本メディカルイラストレーション学会」(通称 JSMI、岡山県倉敷市)が2016年末に立ち上がった。

 メディカルイラストレーションを専門に手掛けるイラストレーター(メディカルイラストレーター)のレオン佐久間氏の呼びかけに、臨床・基礎医学分野の医師らが賛同し発足した。

 メディカルイラストレーターは欧米では長い歴史を持つ職業として社会的にも認知されており、大学にも専門の教育課程が存在するなど、環境が整っている。一方、日本ではメディカルイラストレーションに対する医療現場のニーズは高まっているものの、メディカルイラストレーターは数十人しか存在せず、その養成が急務という(関連記事)。

 第一線のメディカルイラストレーターたちも、自らの立場を社会にアピールする活動に力を入れ始めた。2015年に若手グループが結成した「SciMeCLab」では、この分野の普及と専門性向上を目指し、研究会や交流会、イベントを開催するなど、さまざまな活動を展開中。それぞれの活動実績や課題を報告し合う研究会も年2回開催している。