オランダのビール醸造大手ハイネケン社は2月12日、同社が製造工程で消費するエネルギーに占める再生可能エネルギーの比率を現在の14%から2030年までに70%に引き上げる目標を発表した。

図1●ハイネケン社が開始した「ドロップ・ザ C」プログラムのイメージ
図1●ハイネケン社が開始した「ドロップ・ザ C」プログラムのイメージ
(出所:Heineken)
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 この目標を達成するため、同社は「ドロップ・ザ C(‘Drop the C’)」プログラムを開始した(図1)。主要な温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)から炭素(C)を除くと酸素(O2)が残る、という意味を持つ。さらに、「C」と韻を踏む「sea」を掛け合わせ(Drop the sea.)、これ以上の海面上昇を引き起こさないようにするという意味も込めている。

 同目標では製造以外にも配送、冷蔵に加え、初めて包装・容器における排出量の抑制も含める。これらの分野の目標は科学的な根拠に基づき、今後2年以内に策定すると公約している。

 2008年以降、同社はビール醸造工場における温室効果ガス排出量を41%抑制しており、2020年の目標であった40%を2017年の時点で既に達成しているという。

 製造工程における再エネ比率を現在の14%から2030年の70%に引き上げるためには、温室効果ガス排出量を2008年比で80%抑制する必要がある。このため、同社は2017年から既にさまざまなプロジェクトを世界中で計画、2030年の目標達成を目指すとしている。

 ハイネケン社の製造工程におけるエネルギー構成は現在、70%が熱、30%が電気という。電気に関しては、再エネとして太陽光と風力を既に導入しつつある。