住宅向けの電力小売りサービス「みやまんでんき」を開始する
住宅向けの電力小売りサービス「みやまんでんき」を開始する
(出所:みやまスマートエネルギー)
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 福岡県みやま市などが出資する新電力、みやまスマートエネルギー(みやま市)は2月16日、今年4月に始まる電力小売り全面自由化に合わせ、住宅向けの電力小売りサービス「みやまんでんき」を開始すると発表し、電気料金プランなどを公表した。自治体が出資した地域新電力の料金メニューの発表は初めて。

 九州電力より割安になる「従量料金プラン」(九州電力・従量電灯B・60Aで年間6472kWh、使用家庭との対比で4096円割安)のほか、「曜日別料金プラン」「オール電化料金プラン」を用意した。また、水道料金とのセット値引きや、地元商店街と連携してインターネットで買い物ができるポイントを還元するサービスも提供する。また、契約者にはタブレットを用意し、高齢者の見守り、災害情報の提供など地域密着型のサービスを展開する。

 みやま市の出資する第3セクターが運営する出力約5MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)の発電電力と、市内の住宅に設置した太陽光発電設備から買い取った余剰電力も合わせて、「FIT電気」として供給する。

 みやまスマートエネルギーは、すでに市の施設と市内の民間企業の高圧需要家に対し、電力小売りを開始している。これまでの契約電力は約8MW。昼間は、メガソーラーの発電電力を主体に、ベース電源として火力発電からも調達している。九州電力の常時バックアップ制度なども利用して需給を調整している。

 住宅向け電力供給の開始によって、需要計画作成の難易度が上がるものの、「代表契約者制度(バランシンググループ)」は活用しない方針という。低圧需要家の増加で夜間需要が増えるが、FIT電気の比率は、電源構成の2割以上を確保できると見ている。