日本メーカー初の1500V機の国内投入となる「SOLARWARE2500」
日本メーカー初の1500V機の国内投入となる「SOLARWARE2500」
(出所:TMEIC)
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 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は2月17日、直流1500Vに対応し、単機で国内最大容量となる定格出力2500kW(2.5MW)の太陽光発電向けパワーコンディショナー(PCS)「SOLARWARE2500」を4月から販売すると発表した。

 太陽光パネルからの直流を1500Vで入力できる。こうした「直流1500V機」を国内に販売するのは、日本のメーカーとして初めてとなる。筐体に収納する必要のない屋外設置型で、エアコンによる冷却が不要なことも大きな特徴。

 TMEICの予測では、「米国では、2017年後半には新規の大規模太陽光発電システムの過半数が直流1500Vのシステムを採用すると見込まれる。インド、中国でも導入が検討されており、数年以内に世界の大規模太陽光発電システムの主流になる。日本市場でも今後1500V化が進む」と見ている。

 「SOLARWARE2500」は、既に米国で30MWの稼働実績と170MWの受注実績があるという。今回の国内販売では、寒冷地や塩害などの耐環境対策を施し、国内の設置環境に柔軟に対応できる構成としたという。

 主な特徴は、世界最高クラスの電力変換効率98.8%(補機電力含む)、エアコンレスに加え、定格容量の50%まではファンも運転しない自然冷却となっている。周囲温度-20~40℃で稼働する寒冷地対応のほか、塩害など過酷な環境にも対応可能な屋外型。スマートグリッドや電力会社の出力制御に対応する遠隔プラント制御も可能となっている。

 顧客にとっては、1500V化によって送電効率が向上することで売電収入を最大化できるうえ、大容量化で設置台数を約30%削減(1000V機との比較)し、建設コストを低減できるという。また、エアコンレスと自然冷却の採用は、ファンの長寿命化につながり、メンテナンスコストの削減に貢献するとしている。

 TMEICは、同機の受注目標を、2017年度に200台としている。3月1~3日に東京ビッグサイトで開催される「第7回 国際スマートグリッドEXPO」に展示する。