厚生労働省は2018年2月15日、第1回となる「歯科情報の利活用に関するワーキンググループ」を開催した。歯科診療情報がどのように活用できるのかという未来展望に加えて、情報共有や提供方法などの課題について議論が交わされた。

 歯科情報は東日本大震災をきっかけに着目された。身元不明遺体の歯科所見と歯科医療機関が持つ生前の歯科診療情報を照らし合わせることが身元確認に有効であることが改めて確認されたのだ。

 しかし、歯科医療機関の崩壊などによって、歯科診療録や検査画像などを集めることが困難となったり、歯科診療情報の標準化が図られていなかったりしたため、身元の確認が困難である場合も多かったという。

 そこで厚生労働省では、歯科所見を使った身元確認を効率的に行うことを目指して、検討会や実証事業を実施している。

ワーキンググループの様子
ワーキンググループの様子
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 今回のワーキンググループでは、主に歯科診療情報に関して、(1)「口腔診査情報標準コード仕様」を用いた新たな利活用方策、(2)ICTを用いた新たな連携方策、について検討する。(1)の口腔診査情報標準コード仕様は、歯科診療情報の表示形式を統一するための標準規約。厚生労働省がかねて実施してきた「歯科診療情報の標準化に関する実証事業」で完成させたものである。(2)のICT活用については、多職種連携の仕方についても具体的に検討を進める考えだ。