全米20州の知事らによる超党派のグループ「風力・太陽光エネルギー州知事連盟(GWSEC)」は13日、風力と太陽光発電の推進を要請する公開書簡をトランプ大統領に送った。

 書簡の差出人は、同連盟の会長を務めるロードアイランド州のジーナ・レイモンド知事と同副会長でカンザス州のサム・ブラウンバック知事となっている。

 この公開書簡では、風力と太陽光がこれらの州、さらに広義では全米の経済に大きく貢献していることを強調し、連邦レベルでの継続的な支持を訴えている。

 例えば、風力発電の施設が地方の土地所有者に対して年間に2億2200万ドルもの収益をもたらしていること、太陽光発電産業は現在20万人以上を雇用し、昨年だけでも3万人以上の雇用が創出されたことなど、具体的なデータを示した。

 同時に、風力や太陽光の推進や普及を支える関連施策として、電力網の近代化や改修、洋上風力発電の開発を長期的に支える法制度の整備、風力や太陽光に関連する研究開発への投資、国有地などにおける再エネ開発プロジェクトの許認可の迅速化などの必要性にも言及している。

 化石燃料資源に恵まれない州においては、風力と太陽光発電が地方に経済活性化の機会を提供すること、天然ガスや石炭を産出する州には風力と太陽光がエネルギー資源を多様化する機会を提供することなどを述べている。

 風力や太陽光を受け入れることが、大統領の掲げる化石燃料の推進と必ずしも矛盾しないことを説明し、ソフトな姿勢が感じられる文面となっている。

 一方、国内での再エネ推進を止めることにより、すでに11GWもの洋上風力を稼働している欧州や、太陽光パネルの大手メーカーを擁する中国に対し、米国が敗れ、技術面や経済面で競争力を失うとの警鐘も鳴らしている。

 知事がGWSECのメンバーとなっている州は、アーカンソー、カンザス、ノースダコタ、カリフォルニア、オレゴン、コロラド、メリーランド、ペンシルバニア、デラウェア、マサチューセッツ、ロードアイランド、ハワイ、ミネソタ、サウスダコタ、イリノイ、モンタナ、バージニア、アイオワ、ニューヨーク、ワシントンの各州である。