図1●不動産投資家調査によるNOI期待利回りの推移
図1●不動産投資家調査によるNOI期待利回りの推移
(出所:CBRE)
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 事業用不動産サービス大手、CBRE(東京都千代田区)は2月15日、太陽光発電の期待利回り(IRR=内部収益率)の調査を開始したと公表した。それによると太陽光発電へのプロジェクトIRR(内部収益率)の平均値は4.75%だった。

 同社は四半期ごとに不動産投資の利回りに関する調査結果を「JAPAN REAL ESTATE INVESTMENT」(日本不動産投資)として提供している。これまで、オフィスビル、賃貸マンション、商業施設、ホテル、倉庫の分野別に集計してきた(図1)。2017年1月発行版(2016年第4四半期)から、「太陽光発電」を新たに加えた。

 太陽光に関する最初の調査となった今回の結果では、プロジェクトIRRの下限は4.25%、上限は5.25%となり、平均値は4.75%となった。調査の想定は、固定価格買取制度(FIT)による買取価格32円/kWh以上、太陽光パネルの出力1M~2MW、既存施設としている。

 アンケート調査の対象は194人(社数:178社)で、回答数は142人(同139社)で、回収率は73.2%(社数回収率78.1%)だった。

 同社によると、「買取価格の低下に従い、収益を確保しつつ、運用規模を拡大するために既存施設への投資が増えつつある」という。「今後、既存施設の売買事例の増加に伴い、利回りが低下していく」と予想している。

 今回の調査に際し、不動産投資家に対して、太陽光発電事業への投資状況などに関して聞いたところ、「すでに太陽光発電に投資している」「同発電への投資を検討している」との回答が全体の23%を占めたという。

 CBREでは、2013年から太陽光発電の鑑定・コンサルティングサービスを提供してきた。期待利回りを四半期ごとに調査・公表することで、太陽光発電への投資市場の透明性を高め、市場を活発化する効果を期待している。