ドイツの太陽光パネル大手であるSolarWorld社は2月10日、2017年以降の同社事業では高効率の単結晶シリコンとPERC(Passivated Emitter and Rear Cell:裏面不動態型セル)技術に基づく製品の製造と販売に集中すると発表した。多結晶シリコンの市場セグメントからは、2017年中に撤退するという。

 この事業戦略によって、変化の早い市場環境で事業コストを削減し、競争力を維持できるとしている。

 具体的には、テューリンゲン州アルンシュタット(Arnstadt)にある結晶成長と太陽電池セル(発電素子)の製造工場と、ザクセン州フライベルク(Freiberg)のシリコンウェハーと太陽光パネルの製造工場における工程を集約、無駄を省いて規模の経済を追求し、今後の事業成長を目指す。

 アルンシュタットのパネル製造工程とフライベルクのセル製造工程は、小規模で効率が良くないため、他の事業所に移転するという。米オレゴン州のヒルズボロ(Hillsboro)工場では、既にPERCセルだけを製造しているため、この体制を継続するとみられる。

 これらの事業再構築によって製造や販売における事業コストを削減し、2019年までに約400人の人員を削減するという。また、それと並行して事業の拡大と高効率化技術の改善のために数千万ドル単位の投資を行うとしている。

 同社のFrank Asbeck最高経営責任者(CEO)は、「今回の事業再構築は、大幅なコスト削減と効率の向上に繋がる。太陽光発電の市場は難しい局面にあるが、競争力を強化し、2019年までに2GWまで出荷量を引き上げたい」と述べている。