米Mentor Graphics社は、論理エミュレーターの新製品「Veloce StratoM」を発表した(日本語ニュースリリース)。Veloceブランドの論理エミュレーターとしては、第3世代の製品になる。

 Veloceの第1世代品は2007年に(関連記事:米Mentorが論理エミュレータを刷新,日本ユーザーが成果を披露」)、第2世代品は2012年に発表されている(関連記事:Mentorが論理エミュレータ「Veloce」の第2世代品を発売、性能と容量が共に2倍に)。いずれも、専用のICを開発して容量や性能を向上させている。MentorのJean-Marie Brunet氏(Sr. Director of Marketing, Emulation Division)によれば、今回のVeloce StratoM向けにも新たに専用ICを開発したが、その詳細について正式発表の予定はないとした。今回の専用ICを載せたエミュレーター用ボードを同社はAVB(Advanced Verification Board)と呼んでいる。

最大6筐体を接続して150億ゲート規模に対応 Mentorのスライド。
最大6筐体を接続して150億ゲート規模に対応 Mentorのスライド。
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 最大構成のVeloce StratoMでは150億米ゲートの論理を扱える。「現在の需要という面では25億~50億ゲートで十分だと考えている。いわゆるMooreの法則は今後も続き、2022年には150億ゲート規模の論理を扱いたいという要望が出てくるだろう。それに対応できる。なお新製品は、現在でも150億ゲート規模を扱えるようになっており、市場にある論理エミュレーターとしては最大規模の論理に対応できる」(Brunet氏)。

 すでに最初の顧客には販売ずみで、その規模は25億ゲート。1筐体に64枚のAVBを収めたもの。この筐体の設置面積は10億ゲート対応のVeloce2と同じである。また、消費電力も同じ50kW/筐体だという。すなわち、同じ設置同じ消費電力で、対応可能な論理規模が2.5倍に拡大した。Veloce StratoMは「Strato Link」と呼ぶスイッチボックスおよびケーブルを使って、最大6個接続できる。6個接続すると、150億米ゲートの論理を扱えるようになる。