旧ゲスタンプグループが日本で開発した茨城県大子町のメガソーラー
旧ゲスタンプグループが日本で開発した茨城県大子町のメガソーラー
(出所:旧ゲスタンプ アセティム ソーラー ジャパン)
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 世界的な投資会社である米KKRは2月11日、スペインの太陽光発電事業大手であるゲスタンプ・ソーラーの買収を完了し、社名を「エクセリオ」に変更すると発表した。KKRはゲスタンプ・ソーラーの80%の株式を取得していた。KKRによる投資を機に、エクセリオは、日本、ラテンアメリカ、米国を含む世界市場で一層の事業拡大を目指すという。

 KKRは、一連の規制当局による承認、第三者の同意、通常の取引完了条件をすべて満たしたことで、2015 年 7月に発表した株式取得を完了した。取得にあたりエクセリオの総企業価値を約10億米ドル(約1160億円)と評価した。エクセリオは、発電設備容量を2020年までに2.5GWまで増やす目標を掲げている。

 日本に関しては、すでに2サイトで合計50MWの発電所を建設・所有している。2017年末までに600MWの設備容量達成を見込んでいる。この設備容量の半分はエクセリオの自社開発によるもので、残りの半分は買収を通じて確保する予定だ。

 エクセリオの最高経営責任者(CEO)であるホルヘ・バレド氏は、次のコメントを公表した。「日本市場は、太陽光エネルギー市場の最も重要な一角を担っており、日本企業やメーカーと協働し、さらに開拓を進める」。

 エクセリオは、ラテンアメリカ市場も重視している。既に数カ所でプロジェクトを完成させ、総設備容量は約100MWを達成した。現在、メキシコとチリで500MW以上の発電所の開発に取り組むほか、ペルーやコロンビアなど、その他の南アメリカの市場にも積極的に参入している。

 米国では、現在24MWのポートフォリオを有する発電プロジェクトを手がけており、グリーンフィールドの自社開発、米国企業との戦略的パートナーシップ提携、M&Aなどを通じて、プロジェクト開発を拡大する。

 KKRのインフラ投資は発電能力が 3GW以上の再生可能エネルギーを対象としている。エクセリオへ投資することで、KKRによる再生可能エネルギー分野への投資は約50%増加し、投資企業の太陽光による発電量は50%以上増えるという。エクセリオは、フランスの風力発電会社 Renvicoや、スペインとイタリアにある T-Solarの太陽エネルギープラント、ACCIONAエネルヒア・インターナショナルなどに投資している。

 KKRでインフラ部門をグローバルで共同統括するヘスス・オルモス氏は、次のコメントを公表した。「世界的にエネルギー市場の革命が起きており、2015年 12月にパリで開催された気候変動枠組条約締約国会議(COP21)では、温室効果ガスの排出を削減する手段として再生可能エネルギーの重要性が確認された。今回の投資は、再生可能エネルギーに対する強い信念と実績を増強するものだ」 。