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HOMEものづくり設計革新 > メッシュを切らない有限要素法解析

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メッシュを切らない有限要素法解析

SOLIDWORKS WORLD 2017で見たシミュレーション技術の進展

  • 木崎 健太郎
  • 2017/02/13 14:40
  • 1/2ページ

 メッシュ分割をしない有限要素法解析、クラウド・コンピューティングによる非線形解析、気体・液体・粉体の3相系の解析――。3D-CAD「SOLIDWORKS」(仏Dassault Systemes社)のイベント「SOLIDWORKS WORLD 2017」(2017年2月5~8日、米国Los Angeles Convention Center)では、高度な解析技術の話題が目立った。

新しい理論に基づいて開発

 中でも最も先進的と見られるのが、カナダSIMSOLID社が展示会場で出展した有限要素法解析ツール「SIMSOLID」。解析前に、部品やアセンブリーをメッシュに分割することなく、解析計算を実行できる。「大きな部品と小さな部品が混在するアセンブリー、厚い壁と非常に薄い壁が混在する部品などでも、細かい形状を省略してメッシュを切りやすくするといった作業も必要なくなり、複雑な形状を短時間で解析可能」(カナダSIMSOLID社cofounder and CEOのKen Welch氏)としている。

 計算は速く、例えば細いビームをボルトと溶接で組み立てた直径30mの回転ステージ(部品数5200)の構造解析を、「Core i7」プロセッサー搭載のノートパソコンで11分半で計算できるという(図1)。人間の骨のような、複雑な形状もそのまま解析対象にできる(図2)。

図1 SIMSOLIDの展示ブースの説明
図1 SIMSOLIDの展示ブースの説明
5200部品から成る大規模モデルを11分半で計算できるという。
[画像のクリックで拡大表示]
図2 SIMSOLIDの解析例の1つ
図2 SIMSOLIDの解析例の1つ
人間の腰の骨の解析。このような複雑な形状を省略なしでそのまま扱う。計算時間は44分23秒。
[画像のクリックで拡大表示]

 SIMSOLIDは有限要素法解析の一種だが、新しい基礎理論に基づいて開発した。その理論は、有限要素法のベース(境界値問題の近似解法)であるRitz-Galerkin(リッツ・ガラーキン)法に立ち戻って考え直したもの。Ritz-Galerkin法において、物理量を近似するのに使う関数は一定の制約条件を満たす必要がある。その制約をこれまでよりも緩めることによって、三角形や四面体のような単純な形状に限らず、任意の形状の領域に対する近似関数を構成できるようにしつつ、数学的な正当性や収束の安定性も確保できたという。それによって「例えば部品1個が“有限要素”であるかのように扱える」(同氏)ようにした(同社による参考文献)。

 解析計算の前準備がほとんど必要ないことなどから「それほど頻繁にCAEツールを使わない設計者に使ってほしい」(同氏)としている。エントリー版の「SIMSOLID Standard」は100部品までのアセンブリーに対して線形静解析とモーダル解析ができ、年間使用料は1500米ドル。熱解析、熱応力解析、非線形静解析などが可能で部品数に制限がない「SIMSOLID Power」は年間2500米ドル。試用版を同社Webサイトから無料でダウンロードでき、評価目的で使用できる。

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