図 Tesla社の車両投入計画
図 Tesla社の車両投入計画
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 米Tesla Motors社が、2016年3月31日に次期電気自動車(EV)「Model 3」の概要を発表することを明らかにした。同社の成長を大きく左右するEVの新モデルが姿を現すことになる。同年2月10日に開催した決算説明会で計画を発表した。

 Model 3は、価格を3万5000ドル(1ドル=113円換算で約396万円)に抑えたコンパクトセダンである(図)。生産および納車は、2017年後半からになるという。

 現行モデルの高級セダン「Model S」の販売価格は、搭載するリチウムイオン電池の容量が70kWhのモデルで7万ドル(791万円)。Model Sの半分の価格で購入できるEVを投入することで、「マスマーケットに足を踏み入れる」(Tesla社の幹部)考えである。

 同社は2015年に5万580台のEVを出荷した。同社CEO(最高経営責任者)のElon Musk氏によると、2016年は、「8万~9万台の出荷を計画している」という。Model Sに加えて、2015年9月に発売したSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)タイプのEV「Model X」の生産能力を高めることで実現する(関連記事1)。

 Model Xは多くの受注を獲得しているものの、2015年10~12月の3カ月で208台しか納車できていない。後部ドアに採用したガルウイングドア(同社は「ファルコンウイングドア」と呼ぶ)の生産が難しいことが大きな要因の一つだ。Tesla社は現在、生産プロセスの改善を進めており、「2016年第2四半期には、週1000台のペースで生産できるようになるだろう」(同社)との見通しを示している。