三菱自動車は2017年2月9日、プラグインハイブリッド車(PHEV)「アウトランダーPHEV」を部分改良して発売した(図1)。自動ブレーキに用いるセンサーを従来のミリ波レーダーからカメラと赤外線レーザーに変更することで、歩行者の検知に対応したのが特徴だ。走行面では、電気自動車(EV)としての性能を高めた。

図1 部分改良した「アウトランダーPHEV」。外観は変更していない
図1 部分改良した「アウトランダーPHEV」。外観は変更していない
[画像のクリックで拡大表示]

 歩行者を対象とした自動ブレーキへの対応には、自動車アセスメントが影響している。欧州の「EuroNCAP」や日本の「JNCAP」が、2016年から歩行者検知に対応した自動ブレーキを評価に加えているのだ(関連記事)。“五つ星”の高評価を獲得する上で、歩行者への対応が避けては通れなくなった。

 アウトランダーPHEVはこれまで、フロントグリル内に配置した76GHz帯ミリ波レーダーで前方の車両を検知していたが、歩行者は対象外だった。ミリ波レーダーは、反射波の時間差や強度などから距離を計算し、どんな物体かを認識する。車両の認識は得意だが、人からの反射波は小さく、歩行者の認識は難易度が高い。