日産自動車の専務執行役員で同社の中国合弁会社、東風汽車有限公司の総裁を務める関潤氏
日産自動車の専務執行役員で同社の中国合弁会社、東風汽車有限公司の総裁を務める関潤氏
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日産自動車の小型セダン「シルフィ」
日産自動車の小型セダン「シルフィ」
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 中国は大丈夫か──。

 2016年2月10日、日産自動車が発表した2015年4~12月期の連結決算で注目を集めたトピックの1つが経済が減速する中国の状況だった。日産の世界販売のおよそ4分の1を占める中国は、米国に次ぐ大黒柱であるだけに、関心が高い。

 中国の自動車市場は、景気減速を受けて、2015年5~8月にかけて新車販売に急ブレーキがかかり、乗用車、商用車ともに全体の需要が落ち込んだ。たまりかねた中国政府が同年10月に排気量1600cc以下の小型車を購入する際に減税する政策を発動し、乗用車販売は一転して回復傾向にある。

 決算会見で日産自動車の専務執行役員で同社の中国合弁会社、東風汽車有限公司の総裁を務める関潤氏は、販売低迷を受けた自動車メーカー同士の過剰なインセンティブ(販売奨励金)競争は落ち着いていると強調した。

 「2015年5~8月には乗用車・商用車も全体需要が落ち込み、販売を支えるために大きなインセンティブ競争が起きた。だが、同年10~12月の3カ月間でインセンティブの使用状況は業界で低下しており、(中国市場は)着実に回復している」(関氏)という。