倒産件数が急増
倒産件数が急増
(出所:帝国データバンク)
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これまでに倒産した太陽光関連企業の負債額上位20社
これまでに倒産した太陽光関連企業の負債額上位20社
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 帝国データバンクは2月8日、太陽光発電関連企業の倒産動向の調査を発表した。2016年は関連企業の倒産が急増した。

 倒産件数は、2014年以降、3年連続で増加している。調査の対象となる企業は、太陽光発電システム販売・設置工事、コンサルティングなどの関連事業を主業としている企業のほか、本業は別にあり、従業として太陽光関連事業を手がけている企業も含む。

 2012年7月に、再生可能エネルギー発電電力の固定価格買取制度(FIT)がスタートし、太陽光発電関連分野は、一時はミニバブルのような状態となった。しかし、買取価格の低下が続いたことにより、参入した企業の撤退や倒産も目立つようになっている。

 2016年の太陽光関連企業の倒産件数は、2015年に比べて86.1%増の67件となった。

 2006年1月から2016年12月までの合計では、201件となっている。2014年が21件、2015年が36件、2016年が67件と、件数が増えるだけでなく、前年比の増減率も2014年の23.5%増から、2015年は71.4%増、2016年は86.1%増とペースが加速している。

 負債総額も、2014年の44億8200万円から、2015年が91億2700万円、2016年が333億2800万円と増加傾向が続いている。2016年は日本ロジテック協同組合(東京都)の約162億8200万円という負債額が、全体を大きく押し上げた。

  2006年1月から2016年12月までの太陽光関連業者の201件の倒産を分析すると、「破産」が190件となり、全体の94.5%を占めている。次いで、「民事再生法」が8件(構成比4.0%)、「特別清算」が3件(同1.5%)となっている。

 資本金別では、「1000万~5000万円未満」が104件となり、全体の51.7%に達した。次いで、「100万~1000万円未満」が75件(構成比37.3%)となった。この両者の合計で179件あり、全体の89.0%を占めている。

 負債規模別では、「1億~5億円未満」が74件となり、全体の36.8%を占めている。以下、「1000万~5000万円未満」が68件(構成比33.8%)、「5000万~1億円未満」が30件(同14.9%)で続く。負債額が5億円に満たない倒産が、全体の85.5%に達している。

 地域別では、「関東」が78件でトップとなった。続いて、「中部」の35件、「九州」の31件、「近畿」の26件、「東北」の18件となっている。これまで、継続的に倒産が発生してきた「九州」だけでなく、近年は「近畿」や「東北」でも倒産も増加している。

 都道府県別では、「東京都」の27件が最大となっている。次いで、「神奈川県」と「大阪府」がそれぞれ17件、「宮城県」と「愛知県」が各15件、「埼玉県」と「福岡県」が各13件、「静岡県」が11件と続く。

 負債額の上位では、2016年に倒産した特定規模電気事業者(PPS)の日本ロジテック協同組合がトップとなった。負債額は約162億8200万円。

 2位のシーズクリエイト(東京都)は、中古マンション買取・再販業者で、環境共生型マンションに特化していた。2008年に倒産し、負債額は114億4200万円。3位のエバテック(京都府)は、フラットパネルディスプレイ製造装置メーカーで、太陽光パネル製造装置に業態転換していた。2008年に倒産し、負債額は48億円。4位の産電工業(宮城県)は、主力の電気工事業のほか、学校向けの太陽光発電システム工事なども手がけていた。2008年に倒産し、負債額は39億8000万円。

 5位の下田カントリークラブ(静岡県)も、2016年に倒産し、負債額は37億円だった。ゴルフ場跡地を利用した太陽光発電事業を計画していた。