医療情報システムの国内市場規模の予測
医療情報システムの国内市場規模の予測
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調査対象とした3分野・39システム
調査対象とした3分野・39システム
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 市場調査会社の富士経済は、医療施設内外で利用される医療情報システムの国内市場を調査し、このほど発表した。2025年の医療情報システムの国内市場規模は4952億円、2014年比で36.9%増加する。特にクラウド型電子カルテや電子お薬手帳、在宅医療に関連したシステム需要の増加が予想されている。

 調査は、広域医療連携システム関連、地域包括ケアシステム関連、電子お薬手帳関連の3分野、39のシステムを対象にした。

 三次医療圏および二次医療圏の連携に関連する医療連携システムや電子カルテ、院内基幹システムなど主に病院や診療所に導入される医療情報システムを対象とした広域医療連携システム関連は、2015年の市場規模が3242億円で、2025年には4288億円(2014年比34.8%増)になると予測している。そのうち、医療連携(広域・地域・救急)システムの市場規模は2014年時点で150億円程度とまだ小規模だが、参入企業は自社のシステムによって導入医療圏の医療情報システムで優位性が得られるとして注力していると指摘。

 また、クラウド型電子カルテは、2015年が19億円を見込まれているのに対し、2025年には195億円、14年比で10.8倍に拡大すると予測。同システムの導入率は20%を超えることが予想されている。特に在宅医療関連の機能が充実した製品の需要増加や、医療連携や多職種連携の進展に伴う情報共有のための基礎システムとしての需要が市場拡大を後押しすると予想している。