実証実験のイメージ
実証実験のイメージ
(出所:富士通)
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 富士通は2月3日、住宅用太陽光発電の出力制御に関する実証事業のなかで、HEMS(住宅エネルギー管理システム)とデマンドレスポンス(需要応答:DR)を連係させるシステムを、クラウドから制御する仕組みを提供すると発表した。

 この実証プロジェクトは、東京電力が経済産業省から採択されて実施する「次世代双方向通信出力制御緊急実証事業」。太陽光発電の大量導入に伴う接続保留問題を受け、経産省が、住宅太陽光向けの出力制御システムの確立を目的に立ち上げた。2015年12月からスタートしている(関連記事)。

 実証実験では、HEMSの標準プロトコルである「ECHONET Lite」と、DR指令に対応した家電制御を自動化するADR(自動DR)の標準プロトコル「OpenADR2.0b」とを連係させることで、太陽光の出力抑制量を減らすことも試みる。例えば、電力会社から通知された出力抑制の時間帯に、家電など需要家設備の稼働をシフトして太陽光の電力をすべて自家消費できれば、出力を抑制しなくても済むことになる。

 富士通は、今回の実証プロジェクトに参加し、太陽光の発電量をリアルタイムに把握して出力制御する場合の課題を抽出しつつ、需要家設備をクラウドから制御するシステムを提供する。効率的かつ高品質な機器制御を可能にする仕組みを構築し、将来のネットワークを通じたサービス事業につなげる。

 具体的には、富士通の開発したネットワーク制御を行うソフトウエア「スマートセンシングプラットフォーム(SSPF)」を活用する。このソフトのプラグイン技術を用いて、複数の異なるプロトコルやメーカー間のインタフェースを標準化し、クラウドから共通のインタフェースで機器を制御する「クラウド型HEMS」を実現する。クラウド型HEMSは、あらゆるサービスアプリケーションをクラウド上で一括管理でき、アプリケーションサービス事業者およびサービス利用者の利便性が向上するという。