タイで発売した「ハイラックス」
タイで発売した「ハイラックス」
2015年に全面刷新したIMVシリーズの第一弾
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 トヨタ自動車の販売が、中国を除くアジア市場で苦戦もようだ。2016年2月5日に発表した2015年度の第3四半期までの累計決算によると、2015年4~12月の同市場における連結販売台数は約102万台にとどまる。前年同期に比べて約11万台減った。「インドネシア市場の低迷とタイの競合環境が激化した」(同社常務役員の大竹哲也氏)ことが原因だ。同年に世界戦略車群「IMV」シリーズの新型車を発売したものの、販売を増やす起爆剤になっていない。

 アジア市場の主戦場と言えるタイとインドネシアは、トヨタの乗用車販売シェアが4割を超える“牙城”だが、2015年はともにシェアを落とした。調査会社の米Frost & Sullivan社によると、タイにおけるトヨタの2015年の新車販売シェアは、乗用車で前年比5.4ポイント減の42.2%と大きく落ち込んだ。ピックアップトラックやSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)を含む商用車も同2.8ポイント減の32.9%だ。

 タイでシェアを下げたのは、ホンダとマツダが躍進したからだ。タイは乗用車より商用車が売れる市場だが、ホンダの商用車市場におけるシェアは前年比約3倍の7.1%に達した。2014年後半に相次いで投入した「CR-V」や「HR-V(日本名:ヴェゼル)」が売れている。マツダは、乗用車のシェアを大きく高めた。「Mazda 2(日本名:デミオ)」の販売が好調で、シェアは前年比約2倍の8.7%だ。