2015年の東京モーターショーで「ものづくり強化」の取り組みを発表したデンソー
2015年の東京モーターショーで「ものづくり強化」の取り組みを発表したデンソー
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 “トヨタショック”の影響はどうなるのか。

 部品メーカーの工場事故による影響で、トヨタ自動車は2016年2月8~13日にかけて国内のすべての車両組み立てラインを停止する(関連記事)。その余波をかぶる自動車部品メーカーでは、業績へのマイナス影響が懸念されている。

 そんな中で2016年2月3日、デンソーが2015年4~12月期の決算発表を開いた。トヨタの工場休止が2016年3月期通期の業績に与える影響に関しては、「まだ織り込まれていない。稼働休止は1週間が予定されているが、それ以降どうなるか分からない。情報収集しながら対策会議を毎日開いている」(デンソー経理部・企画室長の大岩周志氏)。

 対策会議には調達、生産といったサプライチェーン関連の担当者が参加している。「現時点ではデンソーの工場は止まっていないが、トヨタの工場が停止すると影響が出てくるだろう」(大岩氏)という。

 デンソーの国内事業に相当する単独ベースの売上高は、2015年4~12月期に1兆8020億円。その45%をトヨタ向けが占める。このため「国内生産の停止が長引くと、企業業績への影響は大きくなる可能性がある」(大岩氏)。また再開後に、休止時の生産の遅れをどれだけ取り戻せるのかが、業績への影響を抑えるカギとなる。