NTTはこれまで門外不出にしてきた研究所内の最先端のInP化合物半導体R&Dプロセスによる超高速IC技術をオープン化する。パートナーとのコラボレーションにより、世界トップレベルの動作速度を有するInP化合物半導体R&Dプロセスを用いた超高速ICなどの実現を目指す。

図●NTTが目指すオープン化の取り組みの流れ
図●NTTが目指すオープン化の取り組みの流れ
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 例えば、シリコンCMOSを凌駕するfT/fmax=400/450GHzの特性を有するInP HBT(heterojunction bipolar transistor)によりシリコン技術の倍の広帯域特性のICなど、シリコンではできない超高速アナログICが実現可能とする。NTTが半導体技術をオープン化するのは「今回が初めて」(NTT先端集積デバイス研究所 所長の芳賀 恒之氏)である。

図●InPとシリコンを組み合わせて実現できる領域
図●InPとシリコンを組み合わせて実現できる領域
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 一般的なシリコンを用いた集積回路(IC)では、CMOSのような大規模な集積化により高機能化は可能だが、高速化や高出力化に限界がある。一方、InP化合物を用いたICは、高集積化は不得手だが、シリコンよりも高速化や高出力化が可能であり、相互補完する技術として期待されている。