産業技術総合研究所(産総研)と日亜化学工業は共同で、可視光全域をカバーするLED光源を開発した(ニュースリリース)。固体素子照明評価の際に基準として使う標準光源になり得るため、両機関は今回の開発成果を「標準LED」と呼ぶ。

図1●今回開発した「標準LED」と使用イメージ 産総研と日亜化学の図。
図1●今回開発した「標準LED」と使用イメージ 産総研と日亜化学の図。
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 発表によれば、LED照明や有機EL照明といった固体素子照明では、明るさを評価する指標として全光束や色の評価が重要とされる。これらの評価では、分光測定により光の波長ごとの強度を高精度に測ることが欠かせない。分光測定を高精度に行うには、評価対象の光源を、基準となる標準光源と比較する必要がある。ところが、これまで、固体素子照明の高精度な分光測定に利用でき、可視光全域をカバーする標準光源は存在しなかったという。

 今回、産総研と日亜化学は、中心波長が異なる複数のLED素子と複数の蛍光体を用いて、可視光全域(380nm~720nm)で十分な光強度をもつ光源「標準LED」を開発した(図1)。LEDの製造・開発の現場において、この「標準LED」を用いることで、固体素子照明の高精度な特性評価が可能となり、製品開発の加速や性能向上への貢献が期待できるとする。