中国の太陽光パネル大手であるJinkoSolar Holding社(ジンコソーラー)は1月29日、米国で太陽光パネル工場を建設する計画を発表した。

 北米法人のジンコUS社を通して約1.75GW分の太陽光パネルを今後3年間にわたって北米の顧客に供給する契約の締結とともに、先端技術を採用した太陽光関連の製造工場の建設計画を同社の取締役会が承認した。

 発表の文面で同社は、「米国の貿易法令の下、太陽電池セル(発電素子)とパネルの輸入がどのように取り扱われるかを今後も注視していく」と述べており、1月22日に米トランプ政権が発表した追加関税が今回の工場建設計画の直接の契機となったことを示唆している(関連記事1)。

 米国の太陽光パネル産業では、テキサス州サンアントニオに製造拠点を持つ韓国系の企業がパネルの増産とそれに伴う人員の採用を発表していた(関連記事2)。太陽光パネル大手の一角であるジンコソーラーが今回、追加関税への対応策として北米工場の建設を明らかにしたことで、今後も同様の動きが続く可能性もある。

 実際に、台湾の太陽光パネル大手であるUnited Renewable Energy(URE)社(関連記事3)も米国で約1000万~1700万ドルを投資し年産500~1000MW規模の太陽光パネル工場を建設する計画であることが、台湾Digitimesなどの報道により明らかとなっている。

 北米工場ついてジンコソーラーはまだ詳細を公式に発表していないが、欧米のメディアによると、フロリダ州ジャクソンビル(Jacksonville)に建設するとの観測がある。

 設備投資額は約1億2000万ドルになると同社の首脳が投資家に明らかにしたとされる一方、ジャクソンビルでは4億1000万ドルに上るとされており、現時点で詳細は不明。

 太陽光パネルの製造規模も設備投資の総額によって決まるが、同社が米顧客と締結したパネルの供給契約からは、台湾UREと同様に年産500~1000MW規模のどこかに落ち着く可能性が高いと考えられる。