「錦海ハビタット」の全景
「錦海ハビタット」の全景
 (出所:くにうみアセットマネジメント)
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曲がりくねったクリークで水生植物の多様性を促進
曲がりくねったクリークで水生植物の多様性を促進
(出所:くにうみアセットマネジメント)
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クリークや池を人工的に造り、在来種を主体に植栽
クリークや池を人工的に造り、在来種を主体に植栽
(出所:くにうみアセットマネジメント)
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 くにうみアセットマネジメント(東京都千代田区)は2月1日、岡山県瀬戸内市の錦海塩田跡地に建設が進んでいる日本最大級のメガソーラー(大規模太陽光発電所)用地内に、生態系の保全を目指した湿地エリア「錦海ハビタット」を整備したと発表した。

 このメガソーラー事業は、出力約230MWで日本最大級の規模となる。2019年春の発電事業開始を目指している。米GEエナジー・フィナンシャルサービスなどが出資するSPC(特定目的会社)・瀬戸内Kirei未来創り合同会社が発電事業者となり、くにうみアセットマネジメントが代表社員を務める(関連記事)。

 錦海塩田跡地では、1971年に塩田事業が廃止された後、40年以上の間、雨水と海水の混じり合う塩性湿地・ヨシ原・水路・クリーク(小川)・ヤナギ林などの混在する環境が形成されてきた。この環境を保全し、生息する動植物への影響を最小限に抑え、地域にふさわしい風景を創出することを目的に、約16haに「錦海ハビタット」を整備した。

 「錦海ハビタット」は、2012年に瀬戸内市から受託して策定した「錦海塩田跡地活用基本計画」の中で、環境対策の一環として計画・立案された。同メガソーラー事業の設計・施工を請負う東洋エンジニアリングが施工した。

 この生態系保全エリアは、希少な猛禽類の保護を主要な目的とした。ヨシ原の水辺環境を残しつつ、既存の樹林やクリークを生かすことで猛禽類の食餌環境を向上させた。水深に変化をつけて複雑に入り組ませたクリークや、自生植物を利用した植栽、小動物の生息しやすい環境の創出が、猛禽類の餌となる鳥やネズミの増加につながるという。