宮古島における事例を紹介
宮古島における事例を紹介
(出所:Global Smart Grid Federation)
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 スマートグリッド関連の国際団体であるGlobal Smart Grid Federation(GSGF)は1月28日、電力系統における電力貯蔵に関する報告書「Power Grid Electrical Energy Storage」を発表した。

 系統用蓄電池に関するワーキンググループで約1年半にわたって検討した内容をまとめたもの。電力系統における蓄電池の活用について、各国での事例などを検証し、実用的で普及可能性が高いものと評価している。

 日本における事例として、沖縄県の宮古島における実証が紹介されている。太陽光発電や風力発電による出力の変動を、蓄電池を使って吸収するシステムを検証している(関連記事)。

 報告書によると、蓄電池は今後、周波数の安定化に活用され、その後、それぞれの地域における負荷平準化やピークシフト向けに活用範囲が広がる見通しである。こうした普及によって、蓄電池の生産は増え、製造コストが下がっていく。コストの低下によって、マイクログリッドや再生可能エネルギー電源の系統への統合といった応用がさらに広がる。

 再エネ電源の系統への統合は、蓄電池を応用したエネルギー貯蔵の最大市場になると予想している。

 こうした展望が実現する条件として、制度の充実にかかっていると提言している。例えば、アイルランドが策定中の蓄電池の機能を評価する制度を紹介している。こうした制度によって、系統に統合可能な再エネ発電電力の潜在量が増え、電力系統の効率性が高まるとしている。