竣工式が開かれた
竣工式が開かれた
 (出所:福島発電)
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大熊町の南西に位置する大川原地区に建設
大熊町の南西に位置する大川原地区に建設
 (出所:大熊町)
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 福島発電(福島市)は1月27日、福島県大熊町に出力約2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「大熊町ふるさと再興メガソーラー発電所」が完成し、竣工式を開催したと発表した。売電収益の一部を大熊町が建設を予定している「次世代型・植物工場」の運営に活用する予定。

 メガソーラーサイト内の約1haのエリアに5種類の防草シートを敷き、除草効果や耐久性などを検証する実証実験も行う。検証データは、広く公開し、今後のメガソーラー事業の普及・拡大に役立てる。

 大熊町は、福島第一原子力発電所の立地自治体の一つで、原発事故により全町避難を余儀なくされ、現在も町民は避難生活を続けている。 大熊町の南西に位置する大川原地区は、町内でも比較的、放射線量が低いことから、「先行復興ゾーン」として、復興・再生に向けたインフラ整備などの検討を進めている。

 発電主体となる福島発電は、福島県と県内自治体のほか、県内の金融機関、企業からの出資で設立された。2014年4月に出力1.2MWの「福島空港メガソーラー」を建設し、事業主体となっている(関連記事)。

 大熊町のメガソーラーは、福島発電が大熊町を通じて11人の地権者から土地を借りて発電事業を行う。約3.2haの農地に中国トリナ・ソーラー製の太陽光パネルを約7700枚設置した。パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。

 福島発電の鈴木精一社長は、「長期にわたり安全に運営し、町復興に微力ながら貢献したい」と述べた。渡辺利綱町長は「町復興のシンボル的施設となる」と歓迎した。

 2015年12月18日に東北電力と接続して発電を開始していた。発電期間は20年間で、事業終了後は農地に戻す予定という。