「他社とアライアンスを組む際や、仕入先(の部品メーカー)からも思われることだが、トヨタの上から目線が非常に問題になる」――。

 発言の主は、他ならぬトヨタ自動車社長の豊田章男氏だ。トヨタは2016年1月29日、ダイハツ工業を完全子会社にすると発表(関連記事1)。同日に開催した記者会見で、豊田氏が先のように述べた(図1)。同氏は、「トヨタはもともとアライアンスが上手ではない。これは私の認識でもあるし、世間からもそう思われているだろう」と、大企業トヨタが抱える“問題”を打ち明ける。

図1 2016年1月29日の午後7時半から都内のホテルで記者会見した
図1 2016年1月29日の午後7時半から都内のホテルで記者会見した
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 トヨタは2016年8月1日までに出資比率を現在の51.2%から100%にして、ダイハツを本体に取り込む。完全子会社化によって双方の強みを融合させられるか。豊田氏は会見で「同じ目線で、任せるところは任せて、得意なところは得意な会社がリードしていく」と、自らを律するように語った。両社の目線の高さが、融合の成否を左右しそうだ。