厚生労働省による2013年の結果に基づく日本人の平均寿命と健康寿命の対比
厚生労働省による2013年の結果に基づく日本人の平均寿命と健康寿命の対比
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 ミサワホームグループのマザアスと慶応義塾大学医学部、社会福祉法人さくら会は、健康長寿に関する共同研究に乗り出す。高齢者施設に入居する80歳以上の自立高齢者が対象。慶應義塾大学医学部百寿総合研究センターが研究主体となり、マザアス、さくら会の高齢者施設入居者を調査する。

 健康長寿の実現にあたっては、遺伝、性格、生活習慣、社会との関わり方など種々の要因が影響していると考えられる。厚生労働省でも生活習慣の観点から健康の保持・増進を図るために、年齢層別の「食事摂取基準」や健康づくりのための「身体活動基準」を策定しているものの、80歳を超える年齢層については基礎データが不足しているのが現状。日本人の平均寿命が80歳を超えていることからも、この年齢層の基礎データ収集の必要性が高まっている。

 研究期間は2015年12月~2018年3月。入居者に対するアンケート、個別面談を通じて、心理面・身体面の状態、食習慣を含む生活習慣などを調査する予定だ。本研究の結果から、老化に伴い発生率が上昇する動脈硬化症、骨粗しょう症、認知症の予防対策、80歳以上の高齢者向け食事摂取基準の提唱、食事メニューの開発などを進める。

 厚生労働省が発表した2013年の日本人の平均寿命は、男性が80.21歳、女性が86.61歳で過去最高となった。しかし、健康寿命は男性が71.19歳、女性が74.21歳と10歳前後の差が出ている。政府では2020年までに健康寿命を1歳以上延ばすことを目標に掲げている。なお、この取り組みは農林水産省が実施する「医福食農連携推進環境整備事業」の一環となる。