世界銀行は1月17日、太陽光発電に適した候補地の探索や調査に無償で利用できるウェブ・ベースのツール「グローバル・ソーラー・アトラス(Global Solar Atlas)」を公開した(図1)。国際太陽光連盟(ISA)と共同で企画・提供した。
世銀は、アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビで開催されたクリーンエネルギー関連の国際会議イベント「World Future Energy Summit (WFES)2017」におけるISAのパネル討議において同ツールを公式に発表した。
同ツールでは、太陽光発電のポテンシャルを年間の平均値として表示したり、特定地域のポテンシャルを1kmの解像度で拡大して確認したりできる。政府や投資家が活用することで、太陽光発電の適地探索や調査にかかる費用を大幅に削減できるとしている。
使用する太陽光発電のデータは、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の開発したウェブツール「再生可能エネルギー・グローバル・アトラス(Global Atlas for Renewable Energy)」と同じものになる。IRENAのツールでは、太陽光だけでなく風力や水力など他の再生可能エネルギーのポテンシャルも調べられる。
世銀のツールはスロバキアのSolargis社が開発し、世銀の管理する基金「エネルギーセクター管理支援プログラム(ESMAP)」が資金面で援助した。
今回のパネル討議では、ISAで主導的な役割を担っているインドのピユシュ・ゴヤル新・再生可能エネルギー大臣が、「政府や投資家が太陽光のポテンシャルを調査する際、まず最初に資源量を詳細に把握するのに役に立つ。ツールを提供した世銀に感謝したい。多くの利用者が、日常的にアクセスするだろう」と述べた(図2)。