産業技術総合研究所(産総研)は2016年1月25日、島根県産業技術センターと共同で、非接触式の静電容量型フィルム状近接センサーを作製し、人の動きや呼吸を検出できる技術を開発したと発表した(ニュースリリース)。利用者にセンサーの存在を意識させず、精神的・肉体的負担をかけずにセンシングできる。
センサーの動作原理は、スマートフォンやタブレットのタッチパネルで用いられる静電容量式とほぼ同じ。電極の大きさが表面と裏面で異なるため周囲に電気力線が漏れているのが特徴で、人が近づくと電気力線の一部が人に向いて静電容量が変化する。これを読み取って人の接近を検出する。
電気力線が、一般的な床材やベッドマットなどで遮蔽されない周波数の交流電圧(今回は200kHzを使用)をかけることで、センサーが物体の裏側に設置されている場合でも検出できる。検証では、畳ベッドの裏側にセンサーを設置し、被験者がベッドに横たわった状態の静電容量値を計測。呼吸の周期に合わせて静電容量値が変化しており、寝ている人の呼吸を適確に検出できることが分かった。