「2.4セント/kWhは、持続不可能」

 この会合では、特にUAEの位置する中東地域における太陽光発電のプロジェクトの価格をテーマとした。中国トリナ・ソーラーなどの太陽光パネルメーカー、EPC(設計・調達・施工)サービス事業者、プロジェクト開発事業者、金融機関の関係者などが出席し、活発な議論を展開した(図3)。

討議では活発な意見交換や質疑応答がみられた
図3●討議では活発な意見交換や質疑応答がみられた
(出所:日経BP)
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 メガソーラーの発電コストを巡っては、2016年6月にUAE・ドバイのメガソーラー・プロジェクトでマスダール(Masdar)社が2.99セント/kWhで受注を獲得し、低コスト化の傾向が顕著となっている(関連記事)。

 その後、アブダビのメガソーラー・プロジェクトでは丸紅と中国JinkoSolar社のコンソーシアムが2.42セント/kWhで応札したことが分かっており、メガソーラー発電事業における売電契約の単価として、最安値になるとみられる。

 WFES2017の同会合では、「2.9セント/kWh は好ましい方向だが、2.4セント/kWhといった価格は、(太陽光パネルメーカーにとって)持続可能ではない。発電コストには、資金調達コストも含まれる。こうしたコストは、地域によっても異なる」(パネリスト、独Apricum社パートナーのMoritz Borgmann氏)といった見解もあった(図4)。

パネリストとして見解を述べる独Apricum社パートナーのMoritz Borgmann氏
図4●パネリストとして見解を述べる独Apricum社パートナーのMoritz Borgmann氏
(出所:日経BP)
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