北陸電力管内の太陽光の推移
北陸電力管内の太陽光の推移
(出所:北陸電力・2016年11月・系統WG資料)
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北陸電力管内の2015年5月の需給状況
北陸電力管内の2015年5月の需給状況
(出所:北陸電力・2016年11月・系統WG資料)
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 北陸電力は1月23日、同社管内の太陽光発電の接続申込量が、「30日等出力制御枠」に到達したと発表した。これにより、1月24日以降に接続契約を申し込む事業者は、指定電気事業者制度に基づき、無制限・無補償の出力抑制が条件となる。

 経済産業省は毎年、新エネルギー小委員会・系統ワーキンググループ(WG )を開催し、各電力会社管内における「30日等出力制御枠」を検証している。電力需要や電源構成などから、固定価格買取制度(FIT )で認められる30日(新ルールでは360時間)までの出力抑制で、需給バランス上、連系可能な太陽光の接続容量を決めている。

 北陸電力は、2016年11月に開催された第9回系統WGで、110万kW(1.1GW)と設定された。同WG開催時点での同社の接続申込量は104万kWだったことから、その後、2カ月で6万kWの申し込みがあったことになる。
 
 これで接続申込量が、30日等出力制御枠に未到達なのは、中3社(東京電力、中部電力、関西電力)を除くと、中国電力だけになった。中3社に関しては、需給バランス上、太陽光の接続に余裕があることから、系統WGの場で30日等出力制御枠を算定していない。

 現在、北陸電力の30日等出力制御枠となっている「110万kW」の算定では、電源構成のうち、長期固定電源として原子力を119.7万kW分、想定している。この前提は、志賀1号機(54万kW)、志賀2号機(135万kWのうち自社受電分75.8万kW)、日本原子力発電の敦賀2号機(受電分37.6万kW)の3基の容量に設備利用率71.5%を乗じた。

 3基のうち新規制基準への適合性審査中の炉は、志賀2号機と敦賀2号機。このうち敦賀2号機は、原子力規制委員会が直下に活断層があると評価した経緯もあり、再審査を申請しているものの審査の進捗にめどが立たない。志賀2号機は昨秋、原子炉建屋への雨水流入トラブルが発覚した影響など、審査に予想以上に時間がかかっている。

 北陸電力管内の原子力の再稼働にめどが立たないなか、30日等出力制御枠を超えて太陽光が接続しても、実際の出力抑制量は、当分の間、30日(360時間)を超えない可能性が大きい。