RE100会員企業の再エネ化比率を分野別で示したグラフ
RE100会員企業の再エネ化比率を分野別で示したグラフ。緑色が再エネの消費量、青色が全電力消費量を示す
(出所:RE100)
[画像のクリックで拡大表示]

 気候変動に対してグローバルに取り組むイニシアチブ・RE100は17日、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムに合わせて、年次報告書「RE100 Annual Report」を公開した。

 RE100は再生可能エネルギーの導入を公約した、世界に影響力を持つグローバル企業による取り組みで、The Climate Group社とCDP社が共同で主宰するイニシアチブである(関連記事)。

 現在、欧米を中心に世界の87社がRE100に加盟しており、会員企業の数は増加中という。アジアからはインドと中国の企業が加盟しているが、日本からの加盟はまだない模様。

 報告書では、企業がクリーンなエネルギーに転換するスピードを強調している。RE100の会員企業の多くは、2024年までに電力の100%を再生可能エネルギーで賄うという目標を設定している。そのうち11社は、2015年の時点で既に100%再エネを達成している。

 RE100の会員企業が創出する再エネ需要は、年間に約107TWhという。この電力量は、オランダ一国が消費する量にほぼ相当する。

 会員企業は、再エネ100%という目標に向けて迅速に取り組んでいる。例えば、米ゴールドマン・サックス社は2014年に14%だった再エネ比率を2015年には86%にまで急速に引き上げた。同様に、ノルウェーのElopak社は18%から86%に、スウェーデンのH&M社は27%から78%に、同期間でそれぞれ再エネ比率を向上させている。

 地域別には、米国の会員企業は約50%(2015年に使用した再エネの量は6.6TWh)、欧州はほぼすべて(同14.4TWh)、中国は約25%(同0.4TWh)、インドは約10%(同0.1TWh)がそれぞれ再エネによるものだった。

 会員企業の事業分野別では、電気通信サービスが再エネ100%に最も近く、2015年に97%という結果だったとしている(図)。

 RE100会員のうち、自社の施設や所有地で自家発電を行っている企業は34社で、現時点では風力と太陽光がその大半を占めるという。