「NIPS2016読み会」を開催
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「NIPS2016読み会」を開催

 Preferred Networks(PFN)は、機械学習分野で最大級の国際会議「Neural Information Processing Systems(NIPS)2016」で発表された論文(ProceedingsのWebサイト)を有志が紹介する「NIPS2016読み会」を1月19日に開催した(イベントのWebサイト)。招待講演3件、口頭発表2件、ポスター発表15件のそれぞれで注目論文を取り上げて解説。論文の紹介をポスター形式で実施するのは珍しいが、「口頭発表と比べてより深い議論ができ、より多くの論文を扱えると考えたため」(主催したPFNの大野健太氏)という(発表資料の一覧)。

 参加応募者121名に対して当初60名だった参加者枠を70名に増やしたり、ポスター発表者の数を10名から15名に増やしたりするなど、参加者、発表者ともに関心の高さが伺えた。なお、NIPS 2016での発表内容については、米Google社(同社のブログ)、同社傘下の英DeepMind社(同社のブログ123)、米Facebook社(同社のブログ)、米Microsoft社(同社の研究紹介ページ)といった大手IT企業も自社の発表論文をそれぞれのWebサイトで紹介している。

濱田氏の発表の様子
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濱田氏の発表の様子

 冒頭の招待講演に立ったディー・エヌ・エー(DeNA) システム本部 AIシステム部 アナリティクスアーキテクトの濱田晃一氏は、会議の概要と深層学習(ディープラーニング)の研究動向を紹介した。まず、NIPS 2016の参加者は2015年の1.5倍に相当する約6000人に達し、従来は1つのトラックで進行していた口頭発表が3トラックになったといった盛況ぶりを指摘。論文を分野別で見ると、投稿数、採択数ともに深層学習関連が最も多く、568件の採択論文中140件以上と全体の1/4が該当したことを挙げた(論文の審査過程)。

 深層学習の研究動向で同氏が注目したのは、コンテンツの生成などに使えるGAN(Generative Adversarial Net、日経エレクトロニクスの関連記事(2017年2月19日まで無償公開))、RNN(Recurrent Neural Network)、深層強化学習(Deep Reinforcement Learning)の3つである。このうちポスター発表で取り上げられることが多かった深層強化学習の研究以外の2つで、目立った論文を紹介した。