3Dプリンターで作製した臓器立体モデルによる手術支援に関して、保険適用の対象が従来は脊椎など一部に限られていたが、骨格全般へと広がった。中央社会保険医療協議会(中医協)が2016年1月20日に承認した。

 臓器立体モデルによる手術支援では、患部のX線CT画像から3次元データを作成。3Dプリンターに入力して実物大の骨格の立体モデルを作る。このモデルと実際の手術器具を使って模擬手術(手術シミュレーション)を行い、複雑な手技のイメージをスタッフ間で共有したうえで手術に臨む。2009年から先進医療として実施されてきた。

 中医協は今回、これまで先進医療として実施されてきた14の技術への保険適用を承認。小児がんに対する陽子線治療、切除非適応の骨軟部がんに対する重粒子線治療のほか、米Intuitive Surgical社の内視鏡手術支援ロボット「da Vinci Surgical System(通称:ダビンチ)」による腎部分切除術(腎臓がん手術)も対象となった(関連記事)。ダビンチではこれまで、前立腺がん手術のみに保険が適用されてきた。

■変更履歴
当初の記事では、保険適用の対象を明示していなかったため、1文目と第2段落の一部を初出時の内容から修正しました。また、当初掲載していた写真は今回の保険適用の対象との関係性がないため、削除しました。お詫びして訂正いたします。記事は修正済みです。