米トランプ政権のロバート・ライトハイザー通商代表(USTR)は1月22日、米国の製造業を保護するためのセーフガード(緊急輸入制限)をトランプ大統領が承認したと発表した。

 今回の決定により、輸入太陽電池や太陽光パネルに追加関税を課すべきとしていた米国際貿易委員会(ITC)による勧告案が概ね現実のものとなった(関連記事1)(関連記事2)(関連記事3)。

 具体的には、今後4年間にわたって米国に輸入される太陽電池と太陽光パネルに対して初年度に30%の追加関税を課し、それ以降1年ごとに5%ずつ税率を軽減し4年目に15%とする(表)。2.5GWまでの太陽電池は除外する。ITCの勧告案に含まれていた輸入割り当てや輸入許可制などは採用しなかった。

表●輸入太陽電池および太陽光パネルに課せられるセーフガード関税
 1年目2年目3年目4年目
追加関税30%25%20%15%

 通商法201条では、追加関税の適用外となる国を一定の条件のもとで規定しているが、今回は太陽電池と太陽光パネルで適用外となる条件が満たされず、韓国と北米自由貿易協定(NAFTA)の加盟国であるカナダとメキシコも追加関税の適用対象に含めるとした。

 今回のUSTRによる発表を受け、米国太陽光エネルギー産業協会(SEIA)は同承認を批判する声明を発表した。

 同協会のアビゲイル・ロス・ホッパー会長兼CEO(最高経営責任者)は、「今回の関税は、米国の需要を満たすために十分な太陽電池や太陽光パネルの製造を創出せず、米経済への打撃となる。究極的には、何万人もの米国ブルーカラー労働者の雇用が失われるだろう」とトランプ政権の決定を批判している。