蘭Gigawatt Global社がブルンジのムブガで開催したメガソーラー起工式
蘭Gigawatt Global社がブルンジのムブガで開催したメガソーラー起工式
(出所:Gigawatt Global)
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 オランダのGigawatt Global社は19日、アフリカのブルンジ(Burundi)で出力7.5MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設を開始したと発表した。ブルンジは、アフリカ大陸の東部に位置する人口約1000万人の小国。

 メガソーラープロジェクトの総額は、1400万ドル。2017年第4四半期に、建設と系統への接続が完了する見込み。

 首都ブジュンブラ(Bujumbura)から東へ約100kmのムブガ(Mubuga)にある草原や丘陵地に建設する。国営の電力会社REGIDESO社と電力購入契約(PPA)を締結し、25年間の売電を行う計画である。同国の電力インフラの規模が小さいため、今回のメガソーラー竣工により、国全体の発電設備容量が15%増加することになるという。

 同国は1960年代まで、ドイツやベルギーの植民地だった。1962年にベルギーから独立、1966年には共和国となった。しかし、独立後も多数派のフツ族と少数派のツチ族という異なる民族間の対立が残っている。このため1993年には内戦が勃発するなど、政情不安な状態が現在まで続いている。アフリカでまだ30カ国以上ある「後発開発途上国」の一つに認定されている。

 このような背景もあり、国際的な民間部門による事業投資として、ブルンジの電力業界では約30年ぶり、かつ最大規模のプロジェクトになるという。

 プロジェクトの資金面では、フィンランド、英国、オーストリアの基金である「エネルギー・環境パートナーシップ」と、ベルギーの発展途上国向け投資会社が、調査費などを支援した。

 また、アフリカと欧州連合の共同事業「再生可能エネルギー協力プログラム(RECP)」と、「再生可能エネルギー・パフォーマンス・プラットフォーム(REPP)」による支援も受けているという。

 Gigawatt Global社はオランダを拠点とし米国人が経営する再生可能エネルギー事業者。米国のオバマ前大統領が2013年に立ち上げた「パワー・アフリカ(Power Africa)」イニシアチブの設立時からの会員企業の一社という。

 2014年にはブルンジの隣国であるルワンダで、パワー・アフリカ・イニシアチブの一環として、南アフリカを除くサハラ以南のアフリカでは初めてとなるメガソーラーを開発した実績をもつ。

 同社のJosef Abramowitz最高経営責任者(CEO)は、「アフリカや新興市場で今後数年に再エネが成長するため、小規模な案件からメガソーラーまで20億ドルのプロジェクトを開発する」と述べている。

 18日にムブガで開催された起工式には、ブルンジ政府の関係者や国外の投資事業者、宗教関係の指導者や外交官が出席した。地元からも2500人が参加し、太鼓の演奏などで式典を盛り上げたという。