「薩摩川内開拓跡地太陽光発電所」
「薩摩川内開拓跡地太陽光発電所」
(出所:自然電力)
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 自然電力(福岡市中央区)は1月23日、鹿児島県薩摩川内市でメガソーラー(大規模太陽光発電所)の商用運転を開始したと発表した。太陽光パネルの設置容量1.8MWの「薩摩川内開拓跡地太陽光発電所」で、事業主は自然電力になる。

 事業用地は同市入来町にある約3.5haの民有地で、元々山林だった土地を地権者が公園と段々畑に開発した経緯があり、今回、太陽光発電所に転用することになった。北向き斜面で本来、太陽光発電に向かない条件だったが、通常より低い角度でパネルを設置し、排水対策としてサイト内に複数の調整池を設置するなどの工夫で、事業化を実現した。

 事業開発は、自然電力とRETRY(東京都目黒区)が主導し、EPC(設計・調達・施工)サービスは、juwi(ユーイ)自然電力が担当した。太陽光パネルは京セラ製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。

 架台は、Newsunpower社製を採用した。地盤に岩が多く、杭基礎が使えなかったため、コンクリートによる置き基礎で、架台を固定した。

 今回のプロジェクトは、鹿児島、宮崎、熊本を主な投資対象地域とする「南九州自然エネルギーファンド」の3 号目となる投資案件(関連記事)。融資は地元金融機関から受けた。信託会社に運営を委託する信託事業方式を採用し、自然電力が受益権者の形で事業主となる。

 同ファンドは地域活性化に資するプロジェクトを投資対象にしており、これまでの案件と同様、「薩摩川内開拓跡地太陽光発電所」でも売電収益の一部を地域に還元する計画。

 年間発電量は、約199 万kWhを見込んでおり、これは一般家庭約600 世帯の年間使用電力量に相当する。九州電力に売電する。O&M(運営・保守)は、自然電力グループの juwi(ユーイ)自然電力オペレーション(東京都文京区)が担当する。

 「南九州自然エネルギーファンド」は、合計で5 件の太陽光発電所の設置を目指しており、今後、さらに2 カ所程度の太陽光発電所への投資を計画している。