洋上風力の競争入札での落札実績(2015 年以降)
洋上風力の競争入札での落札実績(2015 年以降)
(出所:Ørstedの公開資料を基に東電HD作成)
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 東京電力ホールディングス(東電HD)とデンマークの大手電力会社Ørstedは、洋上風力発電事業で協働する。両社は、東電HDが実現可能性を調査している千葉県銚子市沖のウインドファーム事業について検討するとともに、さらに広範な戦略的パートナーシップに向けて連携する。1月18日に覚書を締結した。

 東電HDは、国内外で600~700万kWの再生可能エネルギープロジェクトを開発しており、洋上風力についても事業機会を検討してきた。銚子沖の洋上ウインドファームに関する実現可能性調査では、2018年11月から海底ボーリング調査や音波調査を実施し、地盤構造を調査した。また、実証実験として2013年1月に設置した洋上風力発電設備1基(出力2.4MW)について、2019年1月から国内初となる商用運転を開始した(関連記事:銚子沖の着床式洋上風力、実証終了し国内初「商用運転」)。
 
 Ørstedは、1991年に世界初の洋上風力発電所を設置して以来、これまで欧州を中心に25カ所以上の洋上風力発電所を建設し、保有設備量は500万kW以上に達する。また、米国や台湾においても大規模洋上風力プロジェクトの開発を進めている。

 旧一般電気事業者の洋上風力事業では、関西電力が英国の洋上ウインドファーム事業への出資を進めている。北海洋上の「Triton Knoll」(出力860MW、2021年運転開始予定)では運営会社の株式を16%取得し、スコットランド沖の「Moray East」(出力950MW、2022年運転開始予定)では、運営会社に出資する三菱商事グループの英異国法人の株式30%を取得した。

 また、東京電力フュエル&パワーと中部電力の折半出資会社であるJERA(東京都中央区)は、英国エセックス州沖合の「Gunfleet Sands」(出力172.8MW、2010年運転開始)の事業権益の24.95%、台湾苗栗県沖合の「Formosa 1」(出力128MW、2019年末運転開始予定)の事業権益の32.5%を取得した。なお、Gunfleet SandsとFormosa 1は、Ørstedの開発案件になる(関連記事:JERAも英国と台湾の洋上風力に出資、合計300MW)。