国立がん研究センター 東病院は、肺がんの患者を対象に血液を用いた遺伝子解析を2017年12月に開始したと発表した。採取した血液中に存在するがんの遺伝子を検出し、その遺伝子の変化を調べる。

 従来のように内視鏡や針などを使って肺がんの組織を採取して遺伝子の変化を調べる方法は、患者への負担が大きく、複数回行うことが困難だった。今回の方法のように血液を採取するだけでがんの遺伝子変化を調べることができれば、負担が少なく短時間に繰り返し遺伝子変化を把握することが可能になる。

 今回の遺伝子解析は、国立がん研究センターが全国の医療機関や製薬企業と協力している遺伝子スクリーニング事業「LC-SCRUM-Japan」として行われる(関連記事123)。主に希少肺がんを対とした遺伝子スクリーニングを行っており、2017年12月末までに5000人以上の患者が登録しているという。

 今後は、遺伝子変化に基づいた治療薬や次世代シーケンサーを用いた診断薬の開発を目指す。