DEWAとマスダールの記者発表の模様
DEWAとマスダールの記者発表の模様
左はマスダール社のH.E. Dr. Sultan Ahmed Al Jaber会長、右はDEWAのH.E Saeed Mohammed Al Tayerマネジング・ディレクター兼最高経営責任者(出所:Masdar)
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 アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビのマスダール(Masdar)社は、竣工時には世界最大となる出力800MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「Mohammed bin Rashid Al Maktoum Solar Park」の第3期工事を今月末にドバイで開始する。アブダビで開催された「アブダビ・サステナビリティ・ウィーク(ADSW)2017」で1月17日に発表した。

 同メガソーラーは、ドバイ電力・水局(DEWA)が競争入札を行った結果、2016年6月にマスダール社を主体とするコンソーシアムが当時では世界最安となる2.99セント/kWhの発電コストで受注を獲得したもの(関連記事)。

 第3期の建設では、16km2の用地を使用して既に稼働中のメガソーラーを3段階で拡張するという。具体的には、まず2018年前半までに200MWが完成し、2019年までの第2段階で300MW、2020年前半までに残りの300MWを完成させるとしている。

 今回の発表において、マスダール社は第3期プロジェクトでEPC(設計・調達・施工)を請け負う企業も明らかにした。スペインのGranSolar社とAcciona社、イタリアのGhella社の3社である。また、プロジェクト推進にあたり、DEWAとマスダール社は合弁会社「Shua’a」を設立するという。

 DEWAのMohammed Al Tayer最高経営責任者(CEO)は、「マスダール社との合意は、クリーンエネルギーの成長と『ドバイ・クリーンエネルギー戦略』を実現するための支えとなる」と述べている。

 「ドバイ・クリーンエネルギー戦略」では、2020年までに7%、2030年までに25%、2050年までに75%のエネルギーを再生可能なエネルギー資源によって生み出すことを目標としている(関連記事)。

 その後、メガソーラーの発電コストに関しては、第3期プロジェクトの2.99セント/kWhをさらに下回る案件が出始めている。

 アブダビ水・電力局(ADWEA)がアブダビの東方約110kmにあるSweihanで建設を計画中のメガソーラー(350MW)の競争入札で、丸紅と中国JinkoSolarを主体とするコンソーシアムが2.42セント/kWhで応札したことが明らかになっている。この時のマスダール社の応札価格は2.533セント/kWhで次点だった。