福岡空港 JALカウンター(左)と熊本空港 JALカウンター(右)での利用イメージ
福岡空港 JALカウンター(左)と熊本空港 JALカウンター(右)での利用イメージ
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 デジタルヘルスベンチャーのサウンドファンは、同社が開発・製造・販売するバリアフリースピーカー「ミライスピーカー」が、国内14空港における日本航空(以下JAL)のカウンターなどへ導入されると発表した。ミライスピーカーは同社の特許技術「曲面サウンド」を採用する曲面振動板スピーカー。聴こえにくい人の聴覚をサポートできるのが特徴である(関連記事)

 既に、羽田空港国内線第一ターミナルのJALチェックインカウンターや空席待ちカウンターの一部では、2016年8月からミライスピーカーが導入されている。音声アナウンス用スピーカーとして活用され、高齢者をはじめとする音が聴こえにくい利用者の聴覚をサポートしているという。今回、新たに導入される空港は、札幌(新千歳)・福岡・沖縄・帯広・函館・仙台・新潟・小松・岡山・出雲・山口宇部・高知・長崎・熊本である。

 ミライスピーカーは、空気を押し出す従来のコーン型スピーカーとは異なり、湾曲させた振動板全体から音が飛び出す構造によって、広い範囲に特殊なエネルギーのある音を生成できる。これにより、聴こえにくい人の聴覚をサポートするとともに、健聴者には従来のスピーカーと変わらない音質で音声をハッキリ遠くまで届けることが可能だとする。

 日本人の約9人に1人は、毎日の暮らしのなかで「聴こえにくい」という困難を抱えているほか、2016年4月に施行された障害者差別解消法と合わせてバリアフリーへの対応が官民ともに急がれている。ミライスピーカーは既に金融機関や区役所、老人ホーム、大学、教会などの幅広いシーンにも導入が進んでいるほか、災害時や緊急時の活用も期待されるという。