MKN713
MKN713
(出所:パナソニック)
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MKN704
MKN704
(出所:パナソニック)
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 パナソニックは、HEMS(住宅エネルギー管理システム)製品「AiSEG2」のバージョンアップをし、3月21日から発売する。AI(人工知能)により太陽光発電システムの余剰電力をより有効に活用できる「AIソーラーチャージ」機能などを新たに備えた。

 AIソーラーチャージ機能は、前日発表の天気予報やこれまで蓄積されてきたユーザーの生活パターンなどを基に、翌日の太陽光発電量と使用電力量をAIによって想定する。自家消費を超えて発電した太陽光の余剰電力を活用してヒートポンプ式給湯機を稼働させて沸き上げることで、太陽光の自家消費分を増やしつつ、買電量を削減する。

 例えば、夜間に風呂に入る生活パターンの家庭の場合、これまでの運用では前日深夜から朝にかけて深夜電力で沸き上げていた。AIソーラーチャージ機能では、翌日の天気予報が「晴れ」の場合、朝までに十分に沸き上げず、翌日昼間の太陽光発電の余剰電力を使って沸き上げる、という運用になる。

 このほかにも、IoT機能を拡充して接続できる家電や住宅設備機器を14社27機種(2018年度中開始予定分を含む)に拡大。また、音声操作が可能なスマートスピーカー「Google Home」と連携することで、音声での機器操作に対応した。

 希望小売価格(税別、工事費別)は、7型モニター一体型「MKN713」が8万円、モニター別の「MKN704」および集合住宅向け「MKN705」が4万円。販売目標は2018年度に3万台。なお、既存ユーザーもファームウエアアップデートを行うことで最新機能を利用できる。

 今回、パナソニックが公表した「AIソーラーチャージ」のような太陽光の余剰電力による沸き上げ機能は、京セラとコロナが昨年、製品化している。2019年に住宅の一部で、固定価格買取制度(FIT)による太陽光の余剰電力の買取期間が終了することが背景にある。こうした「FIT切れ」に対応し、家庭用蓄電池やヒートポンプ給湯機によって太陽光の自家消費量を増やすことが、HEMSの重要な機能になってきた (関連記事1) (関連記事2)。