マスダールとスタトイルの記者発表の模様
マスダールとスタトイルの記者発表の模様
前方左はスタトイル社・新エネルギーソリューションズのIrene Rummelhoff上席副社長、前方右はマスダール社のMohamed Jameel Al Ramahi最高経営責任者(CEO)(出所:Masdar)
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 アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビのマスダール(Masdar)社は17日、英国スコットランド沖の北海で建設が進められている出力30MWの浮体式洋上風力発電プロジェクト「Hywind Scotland」の25%の権益を取得した。「アブダビ・サステナビリティ・ウィーク(ADSW)2017」の公式な式典で発表した。

 Hywind Scotlandは、ノルウェーのスタトイル(Statoil)社が開発を始めた世界で初めての浮体式洋上風力発電プロジェクトである。

 英スコットランド・アバディーンシャー(Aberdeenshire)地方のピーターヘッド(Peterhead)から北東に約24kmの沖合に、6MWの風力タービンを中心とした浮体式構造物を5基設置する。浮体式構造物は海底に係留され、全部で約4km2の面積の海域を使用する。この海域の平均風速は約10m/秒であり、安定した発電量が見込める。

 Hywind Scotlandの運転開始は、2017年の終り頃と見込まれている。同プロジェクトの目的は、今後の洋上風力発電所の方式として、「浮体式」が費用対効果に優れ、事業リスクが低いと実証することにあるという。

 Hywind Scotlandプロジェクトは、マスダールとスタトイルの両社にとって洋上風力発電では2件目の事業提携となる。マスダール社はスタトイルが建設中の402MWの洋上風力発電所、「Dudgeon」のプロジェクトにも参画している。今回の権益取得により、マスダール社が英国で保有する電源の総設備容量は1.06GWに増えることになる。

 マスダール社は、拠点とするアブダビのスマートシティ「マスダールシティ」の開発で知られるが、近年は国内外のメガソーラー(大規模太陽光発電)や風力発電など、再生可能エネルギー開発にも積極的に乗り出している。