柵に設置する標識のイメージ
柵に設置する標識のイメージ
(出所:経済産業省「事業計画策定ガイドライン・太陽光発電」案)
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 固定価格買取制度(FIT)の改正に伴い、2017年4月から「新認定制度」がスタートする。経済産業省は1月13日、新認定制度に対応した「事業計画策定ガイドライン」案を公表した。2月11日12時までパブリックコメントを募集する。

 新認定制度では、再生可能エネルギー発電に関する「事業計画」の策定が求められ、その計画が、(1)再エネ発電の利用促進に資する、(2)事業が円滑かつ確実に実施される、(3)安定的かつ効率的な発電が可能――と見込まれる場合に認定が認められる。

 今回のガイドラインは、事業計画を策定する上で、FIT法と法施行規則に基づいて順守が求められる事項と、事業実施のために推奨される事項について、電源種別に考え方を示したもの。

 太陽光発電に関するガイドライン案は34ページからなる。総則のほか、「企画立案」、「設計・施工」、「運用・管理」、「撤去及び処分」の4つのステージに分けて解説している。また、巻末には、付録として、関係法令リスト、主な規格・ガイドラインを掲載している。

 企画立案では、土地・周辺環境の調査、関係法令・条例で必要となる手続きのほか、「地域との関係構築」として、説明会の開催や個別訪問などに関して自治体と相談するよう努めるなどと記載している。

 設計・施工では、土地開発や設備の設計手法のほか、出力20kW以上の太陽光設備に対し、地域住民に対して分かりやすいように、事業者の連絡先など「事業に関する情報」を掲示することを求めた。発電所の柵などに掲示する「標識イメージ」を具体的に掲載した。

 運用・管理では、「保守点検・維持管理計画」の策定を求めた。特に50kW以上の発電設備の場合、電気事業法に基づき作成・提出した保安規程を踏まえた計画を策定することと記載している。また、同計画の策定にあたっては、日本電機工業会(JEMA)と太陽光発電協会(JPEA)が作成した「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」などを参照することを明記した(関連記事)。

 認定を申請する際、保守点検・維持管理に関わる「実施体制図」と「保守点検・維持管理計画」の提出を求めるとともに、これらに基づいて適切に事業を実施していることを示すため、保守点検・維持管理の内容について記録・保管し、経済産業大臣の求めに応じて、提出できるようにすること、としている。

 撤去・処分では、10kW以上の設備の場合、適正な撤去・処分の計画とそれにかかる費用を事業計画に盛り込むことを求めている。撤去・処分する場合には、関係法規を順守するとともに、環境省の「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」の参照を求めている(関連記事)。