岡山県久米南町にある出力約33MWのメガソーラー
岡山県久米南町にある出力約33MWのメガソーラー
(出所:パシフィコ・エナジー)
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現地でデータを取得するためのシステム
現地でデータを取得するためのシステム
(出所:Renewable NRG Systems社)
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 再生可能エネルギー関連の設計や計測を手がける米Renewable NRG Systems社は1月16日、岡山県で稼働しているメガソーラー(大規模太陽光発電所)が、設計時に同社の発電量予測技術を活用したと発表した。

 採用したのは、岡山県久米南町にある出力約33MWのメガソーラーで、発電事業者はパシフィコ・エナジー(東京都港区)となる(現地のメガソーラー探訪)。

 同メガソーラーでは、太陽光パネルの配置を決める際に、パネル段階での発電量を最大化できる手法として、Renewable NRG Systems社の発電量予測システムを活用した。

 日照計などの気象センサーや、太陽光パネルなどで構成された簡易なシステムで、現地に設置することで、実際の発電状況に即したデータを取得できる。

 この結果、日本で一般的となっている、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の日射量データベースを使った算定値よりも14%多い発電量が見込めることがわかり、厳しい条件だった資金調達時の要求を満たせたとしている。

 Renewable NRG Systems社によると、太陽光発電市場が拡大するに従い、投資家の関与や金融機関による融資が増えることもあり、発電事業者にとって、発電量の予測と現実の売電量の誤差が、重大な財務リスクを引き起こす可能性があるという。

 このため、現地で取得したデータと、気象衛星による長期間のデータを組み合わせることが有効だとしている。

 久米南町のメガソーラーの場合、NEDOの日射量データベースに登録されている直近の計測地点は、建設地と離れ過ぎており、現実に即したデータを得られなかったと指摘している。

 同メガソーラーでは、2013年に、Renewable NRG Systems社のシステムを現地に設置し、1年間にわたって放射照度や気象データを取得した。現地の1年間の測定データを使い、気象衛星による長期間のデータで補正することで、発電量の予測に使う放射照度の推移を算出した。

 2016年に売電を開始すると、発電量は予想値に近い水準で推移しているとしている。

 こうした実績もあり、パシフィコ・エナジーは日本で開発している6カ所の案件で、Renewable NRG Systems社のシステムを導入しているという。