ウェザーニューズの海外戦略
ウェザーニューズの海外戦略
(出所:ウェザーニューズ決算説明会資料・2016年12月27日)
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 ウェザーニューズは1月17日、フランスの気象会社 Metnext SA社の全株式取得が完了し、完全子会社化したと発表した。エネルギー、製造小売り、農業市場向けの気象サービスをグローバルに展開する布石とする。

 Metnext社の株式取得に関しては、2016年12月7日に発表しており、その際、取得金額を430万ユーロ(約5億2500万円)と公表している。

 ウェザーニューズは 1986 年の創業以来、海運、航空、鉄道、道路輸送などの交通事業者向けを中心に、気象リスクへの対応策を支援するサービスを国内外で展開していた。これに加え、エネルギー、製造小売り、農業市場向けを「環境気象市場」と位置づけ、グローバルでサービスを開発・展開することを目指す。
 
 買収したMetnext社は、欧州で太陽光、風力、水力など再生可能エネルギーの発電量想定や、天候と連動する電気・ガスなどのエネルギーと一般小売商品の需要想定、農業市場への営農支援サービスなどの分野で、独自の技術やサービスを開発した実績がある。

 気象リスクの軽減・回避に強みを持つウェザーニューズと、気象リスクに基づく計画設計と運用計画、そして事後評価に実績のある Metnext 社の連携により、設計・計画段階から、運用・保守、異常時対応、事後評価まで、企業活動を総合的にサポートできるという。

 具体的には、まずフランス・パリの Metnext社を拠点として、欧州でのマーケティングとサービス開発・運用を強化する。これにより、「交通気象分野」と同様に、「環境気象分野」での世界展開に取り組むという。

 環境気象分野での具体的なサービスは以下になる。エネルギー市場では、電力・ガスの需要想定制御サービス、太陽光・風力の発電量想定制御サービス、送発電設備・送電線の設備保守管理サービス。製造小売市場では、需要想定制御サービス、気象影響制御サービス、店舗最適在庫管理サービス。農業市場では、生育、営農、収穫管理サービスとなる。