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照明や医療を進化させる深紫外発光デバイス

「応用物理学会関西支部セミナー」報告

  • 鵜飼 育弘=Ukai Display Device Institute
  • 2017/01/17 20:43
  • 1/4ページ

1. はじめに

 「光機能の新展開 ~深紫外材料・デバイスの新展開~」と題した応用物理学会関西支部セミナーが、大阪市立大学で2017年1月7日に開催された。このセミナーで、照明や光触媒、微細加工、医療やバイオ分野に革新をもたらす可能性を秘めた技術の発表を聞けた。今回は、高効率のLEDやLD(Laser Diode)デバイスの安価な作製につながる技術を紹介する。三重大学 地域イノベーション学研究科 教授の三宅秀人氏による「深紫外光源の鍵となるAlNテンプレートの作製」の講演概要を報告する。

2. 深紫外光デバイスのための基板

2.1 深紫外発光LED

 紫外発光LEDの応用分野としては、次世代照明、光触媒励起光源、高密度DVD用レーザー・ナノテク加工などがある。特に深紫外LEDは、DNAの吸収波長が260nm~280nmであり、殺菌効果が高いので、医療やバイオ分野での応用が期待されている。これまで波長410nm~365nmの近紫外LEDでは外部量子効率30%が達成されているが、さらに外部量子効率を上げること、波長350nm以下の深紫外LEDの発光効率向上、そして低コスト化が課題となっている。

2.2 深紫外LEDのデバイス構造

 深紫外LEDのデバイス構造を図1に示す。深紫外LEDは、AlGaNという窒化物半導体を積層して作製する。外部量子効率を上げるためには、AlGaN結晶中の貫通転位密度を減らすことが重要であると言われている。貫通転位密度を減らすためには、格子整合性の良い基板(テンプレート)を使う必要がある。このテンプレートには、格子整合性の他に、紫外光に対する高い透過性が要求される。これは、AlGaN素子が発光した紫外光をロスなく外部に取り出す必要があるためである。AlN単結晶は、AlGaN素子との良好な格子整合性および紫外光の透過率の高さに加えて、熱伝導率が高いという優れた性質があることから、紫外LEDの基板として有望視される材料である。

図1 深紫外LEDの構造
[画像のクリックで拡大表示]

 図2に、AlGaNの転移密度と発光効率の関係を示す。同図からAlGaNの発光効率は、AlGaNおよびAlNの(10-12)面のX線ロッキングカーブの半値幅の減少に伴って増加することが分かる。なお、AlNの結晶構造を同図中に示した。

図2 AlGaNの転移密度と発光効率
[画像のクリックで拡大表示]

 AlNは、深紫外材料であるAlGaNとの格子ミスマッチが小さい。バンドギャップが6.2eVと大きく、210nm以上の波長は透過する。熱伝導度が、サファイアやGaN基板よりも優れている。しかも原料コストが安くなる可能性が大きい。これらの特徴を持つ。

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